タクシーにわざと遠回りされた! 現役ドライバーが対処法を説明します

タクシートラブル
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2022年現在でもタクシーにわざと遠回りされたと言うインターネット上の記事やニュースなどをよく見かけます。 現役ドライバーのわたしから思うと、「そんなことするだろうか?」と疑問に思うが完全に否定出来ないのが実情です。

今回はわざと遠回りされたをフォーカスしてお答えしていきます。

最初にこの記事を読む方に知っておいてほしいこと。

  1. 目的地経路は打合せしなければいけない。
  2. 基本的に最短経路、もしくは最安値で運行しなければならない。
  3. タクシー経路は複数以上あり、その日そのときでベストな経路は様々である。

これくらいでしょうか。

まずお客様とドライバーには、運送約款うんそうやっかんと言う簡易契約がされます。それは乗車から目的地までトラブルの無いように契約書とか面倒だから口頭の約束ごとで済ませましょうと言った内容です。

厳密に言うと違いますが、わかりやすくいうとこんな感じです。

目的地をドライバーに告げると、「どのコースで行くか?」まず確認があると思います。これは旅客事業での義務です。

近距離でお互いが確認を省く場合もありますが、10000円を超えるような距離では、確認しないドライバーはいないでしょうし、お客様側も耳を傾けると思います。

ですがなぜか多く聞く、わざと遠回りされたケースですが、ネット上の記事やニュースなどを見たわたしからすると捏造的に感じます。

8000円で行けるコースに1600円わざと遠回りした記事など拝見しましたが、現役ドライバーのわたしですら共感出来ませんでした。

従って今回はわざと遠回りされたケースも含め、遠回りしたかもしれないケース等、常識と旅客事業での範囲で慎重にお答えしていきます。

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タクシーにわざと遠回りされた! 現役ドライバーが対処法を説明します

①目的地経路は打合せしなければいけない

お客様の目的地はひとつでも、ドライバーからするとコース選択が複数存在することが多いです。

2000円超える距離くらいからは、もう少し多く分岐する場合もありますし、正直わざと遠回りした所で売上は上がっても効率は悪いですし、ドラレコの記録や自動日報という記録で走行距離も記録されますから不正をして稼ぐ意味などありません。

従って走行前に軽く打合せをして経路選択となり目的地を目指すことが主ですが、露骨に遠回りしたと言うことならば、打ち合わせと違うとドライバーに伝えても良いと思います。その場合大抵ドライバー側が不備を認めお客様の損失分を返却する事が多いです。

ただしいつもより100円~200円高いと言った苦情に対しては、料金メーターは距離、時間併用計算の為、どこにクレームを入れようが対応されないと思った方がいいでしょう。

実際に700円で到達できる距離に1100円掛かったケースで苦情となった件も経験してますが、道路状況により妥当と判断されたケースもあります。

いつものコースをいつものように走っても、道路状況により金額はぶれてしまうことがあるわけです。 わざとゆっくり走ると言われる方もいますが、道路が混雑しているとき、同じように急いでる一般ドライバーは黄色信号でも交差点を侵入してきます。 プロドライバーは黄色信号を認知したら停止します。 それは黄色信号は交差点進入禁止だからです。 急いでる状況だからこそ事故に繋がる早とちりをプロはしません。

そこに納得できない利用者はクレームとして悲鳴をあげることが多く感じます。

大体は黄色信号でも進行して良いと思い込む道交法の勘違いが、わざとゆっくりに繋がりますね。そして経路を確認して走行している限り、わざと遠回りしたと言うことには繋がりません。

まずはお客様もドライバーも経路確認をしているのか?ここが大事です!

経路確認をしないまま走行した場合、お客様側も早い段階で経路を伝えることが後のトラブル解決に繋がります。

②基本的に最短経路、もしくは最安値で運行しなければならない

タクシーは旅客事業で基本的に最短経路、もしくは最安値で運行しなければならないとなっています。

しかし目的地に急いで到着したい場合や、右左折を繰り返す酔ってしまいそうな経路を好まないお客様もいますからこの限りではありません。 ですからお客様側が納得できるコースをドライバーは打合せして走行することが原則になります。

最短経路や最安値のコースを嫌うお客様も存在しますし、最短経路が最安値であることはまれです。 そして最安値のコースは日にちや時間帯によって大きく変わるものなのです。

夕方利用する場合Aコースと言った経路が最安値でも、夜間に利用する際はBコースの方が安く到着できる立地も少なくありません。

ドライバーが毎回、この時間帯はこのコースの方が安く到着できると説明しないのは、到着できなかった場合のリスクをケアするために言わない場合が多いです。

基本的にお客様目線でのコース選択がベストなので、最短経路、もしくは最安値で運行を提案してくる事はありません。

どちらから参りますか?

という言葉がほとんどでしょう。

ですからある程度の事はお客様が指定できるようになるとトラブルに繋がらないと言えます。

最短距離で行って欲しいと伝えたら、ドライバーは「このコースでよろしいですか?」などと確認に入ります。 確認があり走行するわけですから、わざと遠回りされたとなることはありませんね。

③タクシー経路は複数以上あり、その日そのときでベストな経路は様々である

さて今回の重要な問題点がこちらになります。

タクシーは毎日のように同じ経路を走れば良いわけではありません。 道路工事や事故渋滞、自然渋滞から時間帯通行禁止等、日々時間帯で通れる場所や通れない場所が多く存在します。

これらの事情を100%理解して利用されるお客様は少ないです。

かといって利用されるお客様に、「運転免許所持していますか?」「道路交通法は理解していますか?」等と失礼な質問をするドライバーは存在しません。

道路交通法がわからない。 運転免許を所持してない。

そのようなお客様もドライバーを信用しているからこそ、タクシーを利用していただいているからだと思い込んでいるパターンが強いからですね。現に「あなた運転免許持ってます?」「道路交通法は理解していますか?」等とドライバーに質問されて乗車する方はいないと思います。

これが極めて難しい問題なのですが、事実、道路交通法がわからない、運転経験がないと言った理由で遠回りされたと感じるお客様がいるのも否定できません。

かといって、タクシー事業は非営利団体ではありませんから、「あなた運転免許を持ってますか?」なんて質問はしませんし、道路交通法の理解の確認をすることなんてないわけです。

そこから確認して経路を打ち合わせてたら仕事にならないばかりか、周りの車の迷惑になる場合が多いからですね。

ある日曜日に乗車されたお客様がいたとします。

日曜日だけ夕方まで通れない道が存在していて迂回したところ、遠回りされたと感じるケースがあるのも事実です。その時間帯が進入禁止ということを説明するべきかどうかの判断が微妙なケースで存在するのもドライバー側からするとあるのです。

その目的地は日曜日の夕方まで通れませんけど迂回してよろしいですか?

と伺えば「自宅周辺の事なので知ってる! バカにしてるのか!?」等と返答されて無用なトラブルに繋がることもあります。

曜日、時間帯、道路状況によりタクシーは様々な経路を選択してお客様を送り届けます。

これらの事情の多くはお客様側の勘違いや、道路交通法の理解不足により衝突する案件ですが、わざと遠回りしたドライバーと言うのは、今の時代いないと思います。調べたらすぐわかることですし、トラブルになる方が極論面倒だからです。

その日は事故渋滞があって提案した経路、深夜道路工事があって迂回した経路、ドライバーからは見えている事情が沢山あっても、お客様からしたら遠回りされたと感じるケースがあるのかもしれません。

多くは事情の説明、コースの選択をして目的地を目指すのが旅客事業ですが、残念ながら説明をして対応しても到着してから不満を漏らす利用者も極一部存在するのです。

お互いが不愉快な思いをしてタクシーを走らせる必要はないと思います。 それがきっかけで事故が起きないとは限りません。

利用する側も運行する側も自分達の都合と周りの迷惑を考えた上で安心で、安全な走行を心掛けたいところですね。

それでもなお問題が解決しない方は躊躇わず、タクシーセンターもしくは運輸局へ相談することがベストです。

状況を理由にトラブルを繰り返した場合、最悪地元のタクシー事業所からは乗車拒否に指定されるリスクはありますが、納得できない方は躊躇わず相談した方がお互いのためだと申し上げます。

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